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原 始人が外傷を受けたり、痛みを覚えた場合には、本能的にその部分に手を当て、圧したり揉んだり、あるいはなめたり、さらには泥を塗ったり、木の葉を貼った りしたと思われます。やがて文明が進歩し、火を利用したり、磨製石器を使用したり、金属を使用するようになると金属製の鍼が治療に応用されることになり、 より効果的に、その場その場に応じた治療が選択されるようになったと思われます。そして、時間の経過とともにそれらの経験が集積されていったと考えられま す。
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古 代の文明が1つの頂点に達した時期(中国では戦国時代から前漢まで)に、医学もその最も新しい体系化された思想の影響を多分に受けたようです。それは、陰 陽論、五行説、気の思想などで、これらにより、対立、相対比較、相互関係の考え方が具体的に認識されはじめました。さらに当時完成の途にあった蔵象学説、 経絡学説とあいまって、自然と人間を一貫する法則が求められ、鍼の治療は複雑化しました。
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治 療学の特徴は、理由づけはどうであれ効果があるという一点にしぼられます。二千年以上、東アジア一帯で鍼術が伝えられてきたのはそのためですが、現代で は、より有効に鍼術を応用する目的をもって、自然科学的な観点から、データが蓄積されています。鍼術は灸術に比較して国際的に研究が拡大され、多くの業績 があがっているので、やがてそれらより理論を抽出することがなされ、鍼治療について、その適用範囲、治療方針がはっきりと定まり、臨床と密接に関係づける ことが可能となるでしょう。そのように明確な予測性をもったものこそ、真の鍼灸論と呼ばれるべきものであります。
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